第三の人生2
「ん!」
ビックリするほどの唇の冷たさに思わず声を漏らした。
キスをされたショックで頭がパニックに陥った。
何でキスされてるのかなんてわからない。
どうして?という言葉が頭の中を巡った。
樹が大した抵抗をしないので島崎はチャンスと言わんばかりに口付けを深くした。
「んん・・・!!」
啄ばむようなキスを何度か繰り返され意識を持っていかれる。
(柔らかい・・・気持ちいいかも)
ふと樹はそんなことを考えてしまった。
歩の母と別れてからキスをしたことはなかった。
正確に言えば別れる前から随分とキスをしていなかったような気もする。
かなり久しぶりなキスなのにそれがこんなに情熱的な激しいものだったら余裕がなくなるのも当たり前といってもいいかもしれない。
知らず樹は島崎とのキスに夢中になっていた。
気がつけば口の中に島崎の舌までもが入ってきていた。
「・・・ん。」
軽く絡められて声が出た。
熱い息が漏れる。
「はぁ・・んん。」
ピチャ。ピチャ。と卑猥な音も漏れ、体が熱を持ったように熱くなる。
飲みきれない唾液が樹の口から零れ、島崎はそれを舌先で舐めてなぞった。
樹の耳元まで来ると軽く樹の耳を噛んだ。
樹はびくっとして冷静に戻った。
いつの間にかすっかり服が脱がされている。
「あ・・やめろ!!」
島崎は聞く耳持たずで更に首筋を唇でなぞった。
そして鎖骨の近くをきつく吸った。
「いっ・・・。」
ピリッとした痛さに顔を歪めた。
気にした様子もなく島崎はさらに下へと唇を進めた。
胸についたすでに硬くなってしまっている突起を口に含むと樹は我慢できず声を上げた。
「んぁっ!!」
自分の上げた声に樹は顔が赤くなっていくのがわかった。
「なに?樹さん感じてくれてるの?」
突起を含んだまま喋られて樹は体をビクッと揺らしながら顔を横に振った。
声を出さないようにと唇を噛んだ。
島崎が口に含んだ突起を甘噛みしても樹は必死で我慢をした。
「声出してよ。俺しかいないんだから。」
島崎は樹の突起から口を離すと樹の唇に再びキスをした。
唇を舌で舐め、音を立てて唇を離した。
「何でこんなことするんだよ。やりたいなら女の子とやれよ!その方が健全だろ!!」
「わからないかなぁ・・・。樹さんだからこんな事するんだよ。」
樹は島崎の言っていることがわからないというような目で島崎を見つめた。
それを横目に島崎はさらに続けた。
「この間だってよくできたなぁって思うもん。」
一瞬言っていることがわからなかったがあることに思い当たった。
息子の歩と同じ学校の男の子。
今思えば後姿はそのものだ。
「お前!あのときの痴漢か!?」
赤らめた顔を一瞬にして青褪めさせた。
「そうだよ。覚えててくれたんだ。」
「覚えてるも何も昨日のことだぞ!!忘れるはずがない!」
少し間の抜けた声に怒りが湧き起こり眉間にしわを寄せた。
「何でこんな事するのかって聞いたよね。」
間の抜けた声から一転して真剣な声になった。
いきなりの変わりように言葉を発することができなかった。
「それはね。俺が樹さんに一目惚れしたからだよ。」
「え・・・?」
思いもよらなかった発言に唖然としてしまった。
同性愛者に偏見があるわけではない。
でもまさか自分が当事者になるなんて・・・。
しかも高校生が30過ぎたオヤジを好きだなんて信じられなかった。
「ねぇ、続きしてもいい?」
「っ!!ダメだ!!」
告白されたからってすぐに身体を許せるものではない。
「でも、樹さんのココ。きつそうだよ。」
島崎は樹のモノに触れた。
そこはすでに熱を持っていた。
島崎に軽く擦られ先走りが漏れる。
「感じてるんでしょ。」
島崎はいやらしく笑った。
樹は何も言えず口を噤んだ。
「何も言いたくないならそれでいいよ。勝手にするから。」
そう言って躊躇なく樹のモノを口に含んだ。
「!!やめろ!」
島崎の髪を引っ張って離そうとするが離れない。
軽く吸われて抵抗を緩めてしまう。
「あぁっ!!」
「出していいよ。」
口に含んだまま喋るので振動でさらに感じてしまう。
「やめ・・・。」
聞き入れてもらえずとうとう島崎の口の中に精液を出してしまった。
島崎は口の中に受け止めるとそのまま飲み下した。
「ばっ!!お前飲んだのか?そんな汚い・・・。」
「樹さんのだから汚くない。おいしかった。」
樹は顔から火が出るほど恥ずかしかった。
「ねぇ、今度はこっち・・・いい?」
そう言って島崎は樹の後ろの穴の周辺を指でなぞった。
樹は体を硬直させ、頭を振った。
「ダメだ!そんなとこ絶対ダメだ!」
「なんで?」
島崎は人差し指を出口のところで出し入れしながら尋ねた。
「んっ。そんなとこ、絶対入らない!それに汚い!」
「でも同性愛者の人はココを使うんだよ。」
そうなのかと樹は驚いた顔をして見せた。
「それにしても嬉しいな。」
島崎は本当に嬉しそうに樹に笑って見せた。
樹は島崎が何を言おうとしているのかわからない。
「樹さんが嫌がっている理由が汚いからだなんて・・・。俺を嫌いだからってことじゃないんだ。」
そういえばと樹は自分でも驚いた。
樹は島崎を嫌だとか気色悪いだとかは思っていない。
むしろ感じてしまっている。
「心配しなくていいよ。俺は樹さんが好きだから汚いだなんて思わない。安心して俺に抱かれて。」
島崎の眩しいほどの笑顔に眩暈を感じ、ゆっくり近づいてきた島崎の唇を樹は拒まなかった。
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NOVEL
06'4/18