いくつかのこと2
二階への階段を上って楓の部屋に向かった。
上ってすぐ右側にある扉を開く。
「どうぞ。」
楓は扉を開くと中へと雪斗を促した。
「うわぁ、ここが吉永君の部屋か。」
雪斗は感嘆の声を上げた。
楓は自分の荷物を机に置いた。
キョロキョロと一通り周りを見回し満足した雪斗はベッドの上に座った。
「素敵なお部屋だね。」
「そうか?別に普通だと思うけどな。」
ちょっと照れたように答えた。
「如月って家どこなの?」
「ここから10分先のところ。」
「へぇー、近いんだな。」
家が近いということから近所のお店などのことについて花を咲かせた。
「そうそう、そこのおばちゃんがさぁ・・・。」
話している途中で雪斗がきょろきょろしていることに気づいた。
「どうした?」
「あ、・・・」
何か言いたそうにしている。
不思議に思って楓は雪斗に近づくと、雪斗が話す言葉が聞き取れるように身を屈めた。
「吉永君!」
突然雪斗に腕を引っ張られベッドに押し倒された。
何が起こったかわからず機敏な動作ができずにいるうちに上に圧し掛かられる。
「如月?」
雪斗が何をしたいか推し量れず戸惑い、上擦った声で雪斗の名前を呼んだ。
「雪斗って呼んでv」
語尾にハートマークをつけて言われたがいつもの雰囲気と全然違っていて恐る恐る名前を呼んだ。
「雪斗・・・?」
楓から名前を呼ばれいつもの可愛い笑顔とは違うどこか悪役めいた笑みを浮かべた。
「楓。好きだよ。」
いきなりの呼び捨ての上に、愛の告白され一瞬身体を動かすのを忘れた。
しかし雪斗の顔が近づいてきているのに気がついて急いで雪斗の顔を押さえた。
「おまっ、何するんだよ!しかもなんか性格変わってないか!?」
突然の豹変振りに驚くばかりだ。
雪斗のファンの人たちは雪斗のこの性格を知っているだろうか?
いや、知るはずもなかった。
なぜならいつもの可愛い雪斗は猫を被っている状態だからだ。
「これが僕の本当の性格だよ。」
相変わらずの可愛い笑顔を向けられて戸惑う。
「楓のことが好きだから本当の僕を見せてるんだよ。光栄に思ってね。」
楓は何も言えず池に泳ぐ鯉のように口をパクパクさせた。
その間雪斗は楓の首に唇を寄せる。
首筋に沿って下を這わせると楓はびくりと身体を揺らした。
「おまっ、なにやって!!」
雪斗の後ろ髪を引っ張って離そうとするがさほど動かすことができない。
「痛いなぁ・・・。」
雪斗は唇を楓の首から少し離すとそう言って自分の髪を引っ張っている楓の手首を掴んだ。
見た目からは信じられないほどの握力で握り締めるとあまりの痛さに楓は雪斗の髪から手を離した。
「信じられねぇ・・・。」
自分のほうが強いと信じて疑っていなかった楓は思わぬことに呆然とする。
「僕こう見えても強いから抵抗しない方が身のためだよ。」
勝ち誇ったような笑みにムカッときた。
「男に襲われそうになってるのに抵抗せずにいられるか!」
楓は雪斗の下でもがいた。
しかし雪斗が言ったようにもがいても逃げられず無駄に終わる。
「お前ほんとに俺のことが好きならこんなことするな!」
「好きだからこんなことがしたいんだよ。それにお前じゃなくてちゃんと雪斗って呼んで。」
雪斗は耳元でそう囁くとそのまま耳を軽く噛んだ。
すると楓はビクッと体を揺らし下唇を噛んだ。
「もしかして、耳弱いの?」
楓は雪斗の質問に答えない。
「ふ〜ん・・・。」
子供が悪戯を思いついたような顔をするとわざと音を鳴らしながら耳を舐める。
「・・・っ。」
楓は目をギュッと瞑ってやり過ごす。
「気持ち良い?もっと気持ちいいこと・・・してあげよっか。」
まるで悪魔の囁きだ。
耳を舐めながらシャツのボタンを外しはじめた。
「やぁっ・・め・・」
上手く抵抗できずにいる楓は雪斗に止めるように口で訴えるが効果はない。
素早い手つきでボタンを全て外されると楓のピンク色の突起が現れた。
それを指の腹で擦るように捏ねる。
「んん・・・」
「気持ち良い?」
楓はその快感を認めたくなくて必死に頭を振った。
「素直じゃないね。」
雪斗は不適に笑うと左の突起を指で捏ねながら、右の突起に唇を寄せた。
最初は口に含む程度だったがそれを舌で舐め、甘く噛んだ。
「いた・・・やめろ!」
すでに半泣き状態の楓の顔は上気していてどこか色っぽさが滲み出している。
「素直に気持ち良いって言ったら止めてあげるよ。」
突起を口に含んだままそう述べた。
楓は肌に息が触れるだけで感じてしまっている。
しかしどうしても言いたくなくて口を閉ざす。
「そっか、じゃあもっと酷くしないと感じないのかな?」
そう言って雪斗は楓の左胸の突起をギュッと引っ張った。
「痛っ!!」
あまりの痛さに涙が頬を伝った。
「やめろ・・・。」
楓は涙声でそう懇願した。
「じゃあちゃんと気持ち良いって言って。」
「・・・気持ち・・良い・・・」
屈辱に思いながらもどうしようもなくなってぼそりと呟くように言った。
「まぁ合格にしといてあげる。」
雪斗はそう言うと胸の突起から手と唇を離した。
離してもらえたことに楓は安堵の溜め息を漏らした。
しかしそう甘くなく、雪斗が楓のズボンを下ろそうとしていることに気がついた。
「止めるんじゃなかったのかよ!?」
楓のズボンに手を掛けている雪斗の手を掴むことで行為を止める。
雪斗は気にもしていない様子で楓の顔を見るとあっけらかんと答えた。
「乳首を弄るのは止めてあげたでしょ?」
やられた!!
楓の頭にその言葉がでかでかと浮かんだ。
恥ずかしい思いをしながら言った言葉は意味があったのだろうか?
楓につかまれてることを気にした様子もなく行為を進めている雪斗を見遣りそう考えた。
行為を先に進めるよう促しただけのように感じる。
「やめろ!ズボンを脱がそうとするんじゃねぇ!!」
力では敵わないということをさっき実感したばかりだが抵抗を止めることはできない。
脱がせようとする雪斗の邪魔を必死に行った。
「往生際が悪いよ。大人しく僕に抱かれなよ。」
「易々と男なんかに抱かれてたまるか!!」
楓の股の上で攻防戦が繰り広げられた。
「仕方ないなぁ・・・」
雪斗はそう言うと手をズボンから離した。
勝ったのか?と油断した隙に唇を塞がれた。
もちろん雪斗の唇でだ。
「むぅ・・・ん」
初っ端からねっとりとした深い口付けをくらわされる。
何度も角度を変えて唇を吸われ唇で撫でられた。
楓が息苦しくなって薄く唇を開けた間から雪斗は舌を差し込んだ。
クチュ、ピチャと静かな部屋の中に卑猥な音が響いた。
その音さえも楓の耳を犯し身体を熱くさせる要因となる。
「ふぁ、んっ、むぅ」
声を漏らさないように頑張るが隙間から漏れ楓をさらに辱めた。
楓がキスに夢中になっている間に雪斗は楓のズボンを一気に引き摺り下ろした。
「!!」
楓はそれに気づくもすでに遅く、キスをされたままでやんわりと息子を掴まれた。
雪斗は形を確かめるとゆっくりと扱き始めた。
感じたくなくても感じてしまい徐々に楓の雄の部分は硬く起ち上がり始めた。
漸く唇を離すと楓の口の端から零れた唾液を舐め取って軽くちゅっと唇にキスした。
「感じてるね。濡れてるよ。」
雪斗から屈辱的なことを聞かされる。
「うっせぇ・・!黙れ!!」
顔を真っ赤にしながら言っても迫力はない。
可愛い反応をしてくれる楓を嬉しそうに見つめながら雪斗は楓の雄の先っぽを弄った。
「うあぁっ!」
激しい快感が体中を突きぬけ、思わず声が漏れてしまう。
「ねぇ、どうして欲しい?」
雪斗は意地悪にそう尋ねる。
「手ぇ離せ・・・!」
「離しちゃってもいいの?」
そう言いながら袋を揉み始めた。
「うあぁ・・・ん。」
抵抗しながらも気持ち良さそうな声を漏らす。
雪斗はゆっくりと楓の雄に顔を近づけていった。
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NOVEL
06'5/15